2015設計演習B 第3課題
「無人島のエンターテイナー」
漂流して仲間と無人島に流れ着いた時、果たして建築家の職能は何かの役に立つだろうか。建築士免許は無意味、シェルターの製作技術者としては大工の方が有能。突き詰めて考えると、建築家の存在意義は専門的な技術者としてのそれではなく、一種の技術的エンターテイナーとして捉えた方が理解がしやすいのではないだろうか。
費者限の時間のなか繰り返される天体の運行や、限られた資源を材料として、極限の状態で仲間に安らぎと慰めをもたらすエンターテインメントを開発して欲しい。
提出物: 立体作品
サイズ: 自由
風や日光など、戸外の要素が鑑賞に必要な場合はその旨メモ等を添付して良い。
材料: 材料の規制は『光の箱」に準ずるその他の規制については採点者の立場に立って各自判断すること。
出題: 4/29 (水)
提出: 5/13 (水)
講評: 5/20 (水)
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1X14A096 永井 拓実 A++
下駄に裸足の足跡を掘り込んだ作品。足跡のパターンを前後逆にするなどユーモアのあるアイディアが投入されているが、いずれも決定的な効果にたどりついていないのが残念。どこかでテーマを絞るか、もっとバリエーションを提示すべきであった。(山本) |
1X12A158 藤波 怜司 ルイス A++
スネークキューブを思わせる動的な立方体のつながり。ダイナミックな変形は魅力的だが、無人島の四季の変化を上回る豊かさがあるかは疑問。(山本) |
1X14A150 森 菜穂美 A++
無人島に漂流し、時間を持て余した建築家。おそらく、歴然として、ある莫大な時間の中であくまで建築家という職能を忘れず(手放そうとせず)愚直にコミットとなる貝殻を収集し、地図を作り出し、オリエンテーションまでおいてしまうまじめさ。「エンターテイメント」という視点が欲しかった。(村上) |
1X14A076 菅野 颯馬 A++
ドロダンゴの選手権という子供の頃に熱中した様な無為な遊びを改めて、真剣に取り上げるとどうなるか。そこにいる人間のパーソナリティーか、それを残し、分類するという行為に着目した点は良かったが、表現の稚拙さが、それを伝わりにくくしている点が残念である。(早田) |
1X14A084 竹田 福太郎 A++
動物の頭蓋骨に現代的な化粧が施された作品、無人島という極限の環境下にあって尚、人間の欲求とは何かを問われている。現代の都市生活者たちが抱える錯綜への批判でありながら、欲求とは何かという常識への挑戦でもある。(早田) |
1X14A149 森 伽原 ++A
ランドアートにダイレクトに挑んだ作品、自然の圧倒的な造形に幾何学を対峙させる手法は既視感があるが、「太陽をはめ込む」という加えられたエンターテイメントは自然を少しでもコントロールしたいという作者の感情の現れか。リングの完成度が低いのが残念。(村上) |
1X14A116 範田 明治 A++
無人島に彫刻をつくる作品。忠実とフィクションをおりまぜながら一つのストーリーをつくり、残されたランドアートの解説をする。忠実をひきずりだし、その間のストーリーを創作するという発想は良いが、そうであれば、つくられるものリアリティー、そこに描かれる人々の背景に最大の力点を置く必要があった。(早田) |
1X14A057 小谷 春花 A++
巨大なブラックボックスに圧倒される迫力の作品。「お墓をデザインする」というコンセプトが作者が語らずとも伝わる作品であってほしい。作品上部に見える裸木に作者の意図があるのか。湿った雰囲気をもつ作品。爽やかなでない木漏れ日。(村上) |
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